遺産分割協議書に添付する市区町村の印鑑証明書に代わる手段は?その2

被後見人が遺産分割協議の当事者である場合の、遺産分割協議書に添付する後見人の印鑑証明書に代わり、今回は遺産分割協議証明書に後見人である私が公証人の面前で署名し、その署名証明を付けて、登記手続きを行った。

その1で書いた通りそのメリットは後見人の自宅住所を開示することなく、また余分な書類を提示することもなく事務所の住所で処理をできることである。

今回は、何事もなく登記は完了した旨の申請代理人司法書士からの連絡があったが、署名証明はその1でも書いた通り不動産登記規則第50条の趣旨から全く問題はないと思われる。

問題は、その1で記載した①②の方法のどちらが、より先例の趣旨にかなったものであると法務局が考えるか、またどちらも先例にないから認められないというか、これは各々の登記官により異なるような気がする。

ただし①の方法は管轄家庭裁判所が便宜後見人の印鑑の証明を出すかどうかで、出してもらえない場合はそもそもその方法は取りようがない。私の地元管轄さいたま家庭裁判所川越支部では、かなり前からその証明をだしてもらえるので銀行手続きなどではかなり便利である。

したがって全国誰にでも参考になるとなると、次の機会にやってみる価値がよりあるのは、司法書士会発行の職印証明書であろうが、個人の意見ではこれが一番登記官を説得するのに苦労しそうである。不動産登記準則第49条に同印鑑証明書を資格者代理人として添付する規定があり、全く話にならない代物ではないとは思うが、成年後見の登記事項証明書には司法書士なる肩書は登記されず、そこをつなげるものは最低限要求されると思われる。

添付書類としては
遺産分割協議書(証明書)に職印を押印したもの
職印証明書(3か月経過したものでも使用可)
司法書士の肩書の入った審判書

これでどうであろうか?

次そのような機会があればぜひ挑戦してみようと思う。